小説紹介(裕次郎)

アンダーハーツより愛を込めて 立ち読み 7


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ネットショップにだいぶ前に自費で作成した小説を追加しました。

立ち読み1

立ち読み2

立ち読み3

立ち読み4

立ち読み5

立ち読み6

立ち読み7回目です。

自費出版の本なので立ち読み多め!

 

立ち読み6

人にとっては些細なことであろうとその人にとっては死ぬほどの悲しみを受けてしまうことなんてことは多々あることなのだろう。「そんなことでメソメソしてんじゃねぇよ」というよくある言葉は実のところ成立しないのかもしれない。おそらく“そんなこと”かどうかは他人が決めるものではないのだ。しかし、オレがクズだからかもしれないが、辛いとき、苦しいときに自分より不幸な人を見つけると心が楽になることがある。だからといってそれで自分が本当に満たされることがない、ということも知っている。それでもオレはその行為に及んだ回数は生まれたから今までの間のたかだか二十一年間ですら数え切れないほどだ。その結果は毎回同じ。自分より不幸な人を見つけて一時的に楽になったとしても、心の底から気持ちが晴れやかになることはなかった。
 ……そういうことだったんだな。不幸は決して比べるものではないのだ。だから何も解決しなかったし、気が晴れることもなかったのだ。
 ならば幸せも比べるものではないだろう。例えば、世の中には色んなものを最初から持っている人間というのがいる。その人が自分よりも幸せに見えたとしても、きっとそうではなくて、ただただ人を羨んでしまう自分の問題でしかないのではないだろうか? 自分より幸せそうに見える人もその人の世界ならではの苦しみに苛まれているのだろうから。
 だとしたら幸せなこの国、というのもなんの意味もないのだろうか? 昔からもう何億回も言われている「アフリカの子供達はお腹が空いても食べられないのだから好き嫌いせずになんでも食べなさい」といった言葉がイマイチ納得いかなかったのも頷ける。オレはそいつじゃねぇんだ。……まぁ、だからといって特に不幸でもないオレと飢餓で苦しむ子供たちは決して平等ではないのは間違いない。
……頭がこんがらがってきた。答えのない自問自答をし、苦しむなんてのは暇人の極みだ。もういいか。いつもの一人討論会に戻ろう。さてさて、オレはどう生きようか。……ダメだ。思考が停止してしまっている。簡単に切り替えられるはずのないオレの頭はくじ付きの飴玉の糸のように、さらにこんがらがってしまう。
ともかく今は龍之介が少しでも早く立ち直れることを祈ろう。

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