考察

相模原の事件に対して福祉施設施設長が思うこと (ググる前 1)


世界が少しでもよくなりますように。
利根小次郎です。
これは2017年7月30日に書いた記事になります。
扱う事件ゆえ、多少刺激的な表現もあるかもしれませんが、何も語らないよりはよいかと重い、再掲載いたします。

前置き

神奈川県やまゆり園で起きた19人殺人事件。
もうあれから一年が経つ。
まずは事件をググらずに、調べず現時点で率直に思うことを書こうと思う。
そして、調べてみて改めてこのブログで思うところを書こうと思うので、この記事では、もしかしたら私の誤った認識があるかもしれないが、率直に今、自分が思うことと、調べてみてからの思考の変化も見ていただきたいと思うので、あえて誤解を恐れつつもこの状態で書かせていただきます。

第一報

さて、この業界で働いていることもあり、一般の方よりかはセンセーショナルかつ身近な事件としてこの事件の一報を聞いたことを記憶しています。

日本でこんな事件が起きるのか?

が、第一印象だった。

本当に初めは海外のテロのニュースかと思ったくらいだ。
空撮で外にブルーシートが掛けられ、救急車が出入りしている映像は頭の中に今でもこびりついています。

いったい何が起きたのか? ※記憶の限り

現時点で事実として認識していることとしては、(事実と違うかもしれないが)
神奈川県相模原市で19人の障害者が殺された。
犯人の名は植松聖。
やまゆり園の元職員だった男。
植松の主張は大まかに言うと、

「重複障害者は存在するだけで世の中のを不幸にする」

といったようなものだった。

そこからは、犯人の人となりの情報がメディアから垂れ流された。
そもそも、この植松という男は事件前にも奇行が多く、

大麻で陽性反応
刺青だらけ
大学デビュー
安倍晋三への手紙(常軌を逸した内容)
精神科へ措置入院
などなど。

この辺りで、私のこの事件に対する純粋な興味は目減りしていった。
社会問題ではなく、特定の個人の極端なものが原因ではないか? といった印象になってしまったからです。

入所施設

私は現在は通所系の事業所の施設長をしているが、以前、やまゆり園のような大きな入所施設でも働いていた。
入所されていた方の障害の程度も同じくらいだと思う。
植松が忌み嫌った重複障害の方もたくさんいらっしゃった。
夜勤中は入所者役50人に職員が二人の体制。
一人の方に何かトラブルが起きたらつきっきりになってしまうので、安全面に常に不安はあったが、大きなトラブルはあまり起きなかったと記憶している。
むしろ、夜勤は自分の世界に浸れる楽しい仕事だった。
夜眠れない入所者さんとゆっくり話したりと意外と思い出深い。
今はどうかはわからないが、当時としては、転ばぬ杖のために人員を割く余裕は、予算の面でも人員の面でもなかったと思う。
ただ、あの中に、内情を(鍵の位置等)を知った者が利用者の殺害目的で入ってきたとしたら自分に防げたかと思うと不可能だったはずだ。
鍵は閉めていたが、大それた防犯設備なんてなかったし、建物だって古いものだったから、侵入だけが目的ならば容易なはずだ。
そこから金品を奪うことが目的であれば、金庫を破るのは難しいだろうが、殺害目的だと福祉施設の侵入は難しくなかったと思う。

障害者が世の中を不幸にするから殺さねばならない、といった思考の人間が殺害しにくることを想定しての防犯は当時、そしてこれからも難しいと思うので、やまゆり園の事件はどうしようもなかったのではないか、という印象が強かった。

責任逃れの思考だと思われるかもしれないが、実際に入所施設で働いていた意見として、やまゆり園の管理体制の責任追及をする気持ちになれない。実際に、印象として、やまゆり園の管理体制への批判のニュースも少なかったように思う。

つまり

犯人の障害だとか病気だとか人格障害だとかのことを一先ず棚に上げると、語弊を恐れず単純で乱暴な言葉に置き換えると、そもそも狂った個人の暴発で、障害福祉に関わる問題提議をするような事件ではない、と事件後の報道で思い、興味がなくなっていってしまったのだ。
ただ、それでも思うところがまったくないわけではない。

しかし、思ったよりも長くなってしまったので、考察は②に続くことにします。