利根小次郎

就労継続支援A型とは? そして問題点とは?

世界が少しでもよくなりますように。
利根小次郎です。

就労継続支援A型事業所とは?

まずは教科書通りの言葉から。

就労継続支援A型事業とは、企業等に一般就労することが困難な方に、雇用契約に基づき継続的に就労することが可能な65歳未満の方に対して、就労の機会や生産活動の機会を提供し、就労に必要な知識や能力向上のために必要な訓練、その他の必要な支援を行うサービスです。

とのこと。

少し噛み砕くと

やはり、一般の人には聞きなれない言葉だとは思います。
簡単に言うと、様々なハンデや生きづらさを抱えた方たちが雇用契約に基づき働くことを通して社会とかかわり、自立をしていくことを支援する事業といたところでしょうか。

訓練と就労と二通りの意味合いを持ち「仕事をしながら福祉的なサービスを受けられる」と言ってもよいかもしれません。

いずれまた説明する就労継続支援B型(非雇用型 ※A型よりも訓練、居場所の意味合いが強い)と非常によく似た事業なのですが、A型事業所は数が少ないです。

というのも、A型事業所は基本的に最低賃金を支払う事業所になるので、支出(利用者さんの給料を稼がなければならない)が多く、単純に経営が難しいのです。

ちなみに、対象者についてですが、雇用契約を結ぶこともあり、障害の程度が低く、安定している方が多いです。就労移行支援やB型で訓練を積んでからA型に行く方も多いと思います。
やはり、利用者さんからすると、収入の安定は非常に魅力的だと思います。

運営者から見ると、各種保険や人件費等で運営に関するコストは増大するけれど、比較的軽度の利用者対応で、さらに雇用が安定するので、作業能力アップが見込めるのがメリットとして挙げられます。(※現実はなかなか出勤が安定しない方もおられますが・・・・)

そして、ここがあとで重要になってくるのですが、雇用関係の助成金獲得が見込めることが運営者のメリットとしてあげられます。

現在、話題に上るA型事業所の問題点

さて、最近の障害福祉に纏わる問題点でA型事業所がよく話題に上ります。

理由は、いくつかあるのですが、就労継続支援A型事業の制度を逆手に取った事業所が増えてきたことが大きな問題になっています。
もちろん、企業に限った話ではないですが、障害福祉サービスに数年前から企業が参入しはじめ、営利目的の事業所が増えてきました。そして、コンサルタントに頼れば、福祉事業に慣れていない企業も参入することが簡単になってきたのです。

障害福祉サービスの運営(簡易版)

基本的に、福祉サービスは給付金で賄われます。
たとえば、高齢者のデイサービスとかで「一割負担で利用」みたいな文言をたまに見かけることがあるでしょう。そこで、一日利用するのに8000円かかるとすると、本人の負担が800円で、残りの7200円は行政が負担します、ということになります。
なので、事業所は利用者さんが来所することで、訓練給付という収益を得ることになります。
これが、職員の人件費や家賃光熱費などの運営費に充てられ、外注等の仕事で得た収益が利用者の給料になります。

上記の諸々を踏まえると、

利用者が来所し、サービスを提供することによる給付金=運営費
その他の収益=利用者の給料

となります。

ここまではA型、B型共通のものになります。ただし、B型に関しては賃金ではく工賃なので、労働基準法に則ったものではないので、入った収益から諸費用を差し引いた分を割った支払う形なので、給料での赤字はでないです。

そして、さらにA型に関しては、特定求職者雇用開発助成金等の各種助成金の対象にもなります。

そして、問題は?

一時期、つぶれそうな会社にコンサルタントが入り、A型事業化するようなことが増えてしまいました。
運営費を抑えに抑え、利用者を短時間労働にして支出を抑えに抑え、給付金による収益と助成金を利用者の給料に充てると、仕事をしなくても利用者に賃金を支払うことができるようになるようで、そんな形のA型事業所が増えてしまいました。

福祉サービスをしっかりできないA型が増えてしまった結果、締め付けが厳しくなり、特定求職者雇用開発助成金等の助成金がとりずらくなったり、短時間労働がし辛くなったりとし、既存のA型事業所の運営も厳しくなってしまったことが現状です。

利用者の利益は確かにあるので、制度の悪用とまでは言わなくとも、あまりほめられた状況ではないとは思います。
ただし、だからといって利用者さんにメリットが少ないわけではありません。

よく福祉関係者が株式の企業が運営している事業所に「あそこは良い支援をしていない」と揶揄したりすることがありますが、私個人は給料が安定的に入ることは、中途半端な優しい支援なんかよりも、利用者の安定に繋がると思っています。

まあ、こんなこと言っては元も子もないですが、どんな事柄も一つの側面からは語れないのです。

この件に関して思うこと

実際、A型事業所の数が少なく、企業への就労は難しくとも、福祉サービスを受けながらであればもっともっと稼げる力をもった障害者もたくさんいます。
そして、いろんな支援の方法があるけれど、自立という観点で見ると、収入というのは決して甘く見てはいけない項目だと思います。生活はきれいごとでは済まされません。
好きなものを買ったり、自分のスキルアップのための投資をしたり、安定した賃金を支払うということは非常に優れた支援だと個人的には思っています。

全国的にB型事業所の収益を増やすような動きはありますが、現実はそう甘くはありません。一カ月一生懸命働いても数千円しかもらえない方たちがたくさんいます。

制度の穴を突くようなあざとい事業所はどうかと思いますが、ただ、行政の締め付けによって、収入が減ってしまい人生の選択肢も減ってしまう障害者の方たちが増えなければよいなとは心から思います。

なにもさぼったり、遊んだりして収入がないわけではありません。
障害があったから、病気になったから収入がなく、人生の選択肢が少なくなっているのです。成熟した社会でそれが正しいとはやはり思えません。

ただし、国だって、障害者が不幸になってほしいと思っているわけではなく、福祉に係る税金が足りないのが現実でしょう。

たとえば議員を減らしたり、税金の無駄遣いを辞めたところで、障害福祉にその税金が回ってくるはずないでしょう。

つまり、これからは民間の力が必要になってくるはずです。

中間企業のように、賢い誰かが社会問題を解決しつつ、収益に繋がるような事業をしてほしいな、と賢くない私は思っています。

今後は、この収益モデルの案もブログでしていきたいと思っています。

長々とありがとうございました。

※2017年8月27日の記事になります。この記事から一年経過し、現状はさらに混迷を極めていると思います。近日中に追記の記事をアップします。