藤木の国のアリス~伽炉瑠博士の忘却装置~

藤木の国のアリス ~伽炉瑠博士の忘却装置~ 1

プロローグ「組子とアリス」

名前?
ありす。
お姉ちゃんは?
へー、組子っていうんだ。
七歳よ。
じゃあ、10歳違いだね。
それはわかんない。えーとね、チシャ猫はもう何十年にもなるって言っていたけれど、帽子屋さんは時計がずっと止まっているから時間なんて関係ないって言っているの。
三月兎もそう言っているわ。
あ、でもでも、チシャ猫は二人とも狂っているんだって言っていたの。
あ、違った。ここの住人は皆狂っているんだって。
うふふ。
だから、私もあなたも狂っているの。
うふふ。
え?
淋しくなんてないわ。
だって、一人じゃないもん。
チシャ猫でしょ、白兎でしょ、眠りねずみでしょ、インコにアヒル、ドードーと芋虫とハトさんに、双子もいるし、公爵夫人、赤ん坊の豚さん、帽子屋、三月兎、フラミンゴにハリネズミ、王様、王子様、すぐに首を切れって言うような嫌な人だけれど、女王様もいるわ。
うん。楽しい!
退屈なんてしたことないの。
グリフォンに乗ったり、海がめもどきの身の上話を聞いたり、イセエビのダンスを見たり、海の学校で見せ掛け算を習ったりもしているもの。
それじゃ、私はお茶会に行ってくるわ。
また来てね。お姉ちゃん。